Oct-2022(TP&HB)

『Live at the Fillmore 1997』が発売に!

9/24付で第一報を掲載しましたが、詳細を改めてお知らせします。)

ついについに、『Live at the Fillmore 1997』が発売されることになりました。リリース日は11月25日です。  TOM PETTY & THE HEARTBREAKERS: LIVE AT THE FILLMORE (1997) OUT NOVEMBER 25

1997年の Fillmore での連続公演の音源の公開について、Tom は常々前向きな発言をしていましたし、Mike も過去のインタビューで同様の趣旨を度々語っていました。さらに今年2月の Ultimate Classic Rock 誌のインタビューで Mike が「ミックスダウンも終了し発売される」と発言してからは、今か今かと首を長くして待ち続けていました。

それ以降は全く動きがなかったので、先月、Tom Petty Radio(Sirius XM)で「9月21日に特別なアナウンスがある」との発表があった際は半信半疑でした。しかし、9月19、20日にオフィシャルで公開された告知動画の片隅に「AT THE(FILL)MORE 1997」の文字を見つけて、1997年 Fillmore のライヴ音源がいよいよリリースされると確信できました。

9月21日 9時 ET / 6時 PT(日本では 21日23時)に公式映像として、<Listen To Her Heart (Live at the Fillmore, 1997)>が公開されて、リリースが正式にアナウンスされました。Fillmore 仕様となったオフィシャルサイトではプレオーダーの受付が開始されています。

今作は(恐らくラジオなどでの公開を目的に)公式に録音されていた最後の6公演(1/31、2/1、3、4、6、7)の演奏を元に構成されています。実際に、最終公演は全米のラジオとインターネットでオンエアされたので、海賊盤として広く流通しファンの間で愛聴されてきました。

プロデュースを担当したのは、Ryan Ulyateと Mike Campbell。この2人にエグゼクティヴ・プロデューサーの Benmont Tench、Tom Petty Estate の 3人(娘の Adria と Annakim、夫人の Dana Petty)が加わって選曲が行われました。TP&HB 関連の曲だけではなく、Rolling Stones、J.J. Cale、Chuck Berry、Booker T. & MG’s らのカヴァー、さらにゲスト出演した Roger McGuinn、John Lee Hooker との共演も収められています。

発売になるのは、43トラック/33曲収録(1)の通常盤(2CD / 3LP)、72ト ラック/58曲収録のデラックス盤(4CD / 6LP)、様々な特典が付いた超デラッ クス盤(6LP)の5フォーマットです。通常盤は18曲、デラックス盤は36曲の カヴァーが含まれています(2)ので、半分以上がカヴァーとなります。

*1)「43トラック/33曲収録」とありますが、トラックは TPのMC(曲紹介や観客への呼びかけ)を含んだ数で、曲数が純粋に演奏された曲の数です。
*2)公式サイトで「4CD/6LP版にはカヴァー曲35を収録」とありますが、公開されたトラックリストを見るとカヴァー曲は36ありました。ちなみに”Hip Hugger”は Booker T. & MG’sの”Hip Hug-Her”です。


各セットの付属内容は以下の通りです。文章では分かりづらいと思いますので、商品写真と合わせて確認してみてください。

  • 2CD:16ページのブックレット
  • 3LP:LPサイズの4ページの解説
  • 4CD:32ページのブックレット、ギターピック3枚、ラミネート加工されたアクセスパスのレプリカ、<the fillmore house band>と刺繍されたワッペン
  • 6LP:(4CD盤と同じ)ピック、アクセスパス、ワッペン、さらに LPサイズの24ページブックレット、3公演のセットリスト、当時のファン向けニュースレターのレプリカ、LPサイズのナンバリング入りリトグラフ

値段は公式サイトのストアで、2CD-19.98ドル(1ドル145円換算:2,897円)、3LP-49.98ドル(7,247円)、4CD-59.98ドル(8,697円)、6LP-174.98ドル(25,372円)。送料別です。 日本の Amazon や Tower Records などでも取り扱っています。ワーナーミュージック・ジャパンの大人向け洋楽ポータルサイト<Warner Music Life>でも取り上げられていますが、日本盤および輸入盤国内仕様の発売の情報はありません。

専用サイトでは、San Francisco Chronicle 誌で長年コラムを書き、ミュージシャン関連の書籍も多く手掛ける音楽評論家 Joel Selvin が、実際に目にした公演について記したライナーノート(PDF)をダウンロードして読むことができます。非常に面白く、興味深いことが書かれています。アルバムを聞くのが待ち遠しくなること間違いなしです。

ジャケットに使われた個性的なイラストは Tom Garner が描いたもの。彼のサイトには今までの作品の数々が掲載されています。


リリースに合わせて公開された動画の情報もまとめてご紹介しておきます。

“Listen To Her Heart”のビデオを監督したのは Peter Sluszka。3Dアニメーションやストップモーションの技術に長け、数々の受賞歴があります。彼が所属する Hornet 社サイトにはこのビデオのページが作られていました。

残念ながら今回は映像のリリースはありません。公式ビデオに演奏シーンが少しだけ使われており、ライヴ映像の存在が気になります。実は、公演翌年(98年)に発売された Carl Perkins と Paul McCartney の映像作品「My Old Friend」の中に、Carl Perkins と TP&HB が演奏した”Honey Don’t” “Match Box” “Blue Suede Shoes” “Restless”が収められていました(全曲とも完奏ではありません)(*3)。正式にリリースされたことのある映像も存在するので、何らかの形で公開されることを切に願っています。

*3)ビデオのクレジットを確認すると、映像の提供者は<ABC In Concert>になっていました。調べてみると、ABC(テレビ局)の人気番組<ABC In Concert>の記録で、97年2月7日放送回に Carl Perkins と Tom Petty の名前がありました。共演の様子が放送されたのかもしれません。

☆ Fillmore 1997(最後に Fillmore Live の簡単な説明)☆
1997年の FillmoreでのライヴはTP&HBのデビュー20周年を記念して行われました。(本来は1996年秋の予定でしたが、TPの怪我があって97年1月に延期となりました。)場所はサンフランシスコの伝説的なライヴホール The Fillmore。彼らが通常行うような1-2万人規模のアリーナではなく、1100人収容の会場を
使っての特別な公演でした。1月10日から2月7日までの20公演は日替わりのセットリストで、珍しい曲も沢山演奏されて大評判となりました。TP&HB にとってハイライトの一つと言える出来事でした。
詳細情報は Here Comes…サイトをご参照ください。ディスコグラフィーも追加しました

2022-10-11[T/M]