A STATEMENT FROM THE PETTY FAMILY

昨日(米国1月19日/日本1月20日)、Tom Petty の死因に関する家族の声明がオフィシャルサイトで公表されました。少なからず衝撃的な内容でしたが、冷静に受け止めたいと思います。コメントは英文であるのに加えて医学的要素が含まれ理解しづらい部分もありますので、ここに翻訳と解説をお届けします。
内容理解の助けになれば幸いですし、提供された情報、そしてご家族の思いが正しく伝えられることを願います。

<声明文>

今朝、家族一同は検視官の事務所で、Tom Petty は複数の薬剤摂取の結果による偶発的な薬物中毒で死亡したとの最終分析結果を知らされました。

残念なことに、Tomの体はいくつもの深刻な疾患がありました。肺気腫、膝の問題、そして最大のものとして股関節骨折です。

痛みを伴う負傷がありながらも、彼はファンのための責任を果たし続けることを主張して、股関節の亀裂骨折がありながら53公演のツアーを行い、その結果、より深刻な負傷へと悪化していきました。

亡くなる前日には、彼は股関節が完全に骨折するまで進行したと知らされました。その痛みがとにかく耐え難いもので、薬物を多めに使ったのだと、私たちは思っています。

複数の問題のために、フェンタニル・パッチを含めたいくつかの痛み止めを処方されていたことは、この調査結果を伝えられる前に知っていました。検視官が調べたとおり、これが不幸な事故につながったと確信しています。

遺族として、この報告がオピオイド危機に関する更なる議論を呼ぶかもしれないことは理解しています。その議論は健全で必要なものであり、我々の報告が何らかの形で(他の人の)生命を救うことを望んでいます。過量服薬をする多くの人々は(乱用目的ではなく、痛みを伴う)正当な負傷があったり、薬の強さや致死性を単に理解していなかったりするのです。

幸いだったのは、彼が痛むことなく旅立ったこと、そして最後にもう1度、40年超のキャリアの中でも最大のツアーで、彼の忠実なファンのために最強のロック・バンドとライヴ演奏をするという、彼がもっとも愛したことをやり終えて見事に燃え尽きたのだと、今ははっきり分かっていることです。亡くなるまでの日々、彼はその達成にただならぬ誇りを持っていました。

我々は、みなさんとともに悼むとともに、Tom Petty and the Heartbreakers が音楽と世界に与えた驚くべきポジティヴな影響に感嘆し続けています。そして、我々は、この数か月間のみなさんの愛情と支えに感謝申し上げます

さらには、公的にも私的にも、この世の中で最高に偉大だった男の思い出を尊重してくださることにも感謝申し上げます。

この困難な期間、Heartbreakers ファミリー一同のプライバシーをご尊重いただければ幸いです。

– Dana Petty,  Adria Petty –

<補足説明>

CNNなどの報道では、ロサンゼルス検視官が並行して死因を発表、「複数の薬剤の毒性による心肺停止蘇生後の多臓器不全」による事故死で、冠動脈硬化症と肺気腫もあったと結論付けました。検出された薬剤はオピオイド4剤(オキシコドンおよびフェンタニル系化合物3剤:フェンタニル、アセチル・フェンタニル、デシプロピオニル・フェンタニル)、抗不安薬(テマゼパム、アルプラゾラム)、抗うつ薬(シタロプラム)でした。

このうち、抗不安薬と抗うつ薬は、精神科医療で一般的に用いられているものです。一方、「オピオイド」とは、強力な鎮痛作用を持つ麻薬です。アメリカでは、その使用が全土に蔓延し、中毒死の激増が深刻な社会問題と化しています。2016年には年間死者数が4万2千人を超え、全土の平均寿命は2015・2016年の2ヵ年連続で低下しました。2017年10月には、トランプ大統領が「公衆衛生上の非常事態宣言」を出しています。

ここまでオピオイド系薬物が広まった理由は、その一部が医師の処方箋のもと鎮痛薬として合法的に使えるようになったことにあります。医療用オピオイドには、フェンタニルをはじめオキシコドン、ヒドロコドンなどがありますが、モルヒネと同様の依存や禁断症状を引き起こすほか、過剰摂取にて呼吸抑制を来たし致死的となります。近年では、アメリカ人のトヨタ役員が来日時にオキシコドンを所有して麻薬取締法違反で逮捕されたほか、Prince がフェンタニルで命を落としました。

(参考)
CNN: US life expectancy drops for second year in a row (2017年12月22日)  
The Lancet: The opioid crisis in the USA: a public health emergency (2017年11月4日)
Centers for Disease Control and Prevention: Opioid overdose

<Shigeyan>

Our family sat together this morning with the Medical Examiner – Coroner’s office and we were informed of their final analysis that Tom Petty passed away due to an accidental drug overdose as a result of taking a variety of medications.

Unfortunately Tom’s body suffered from many serious ailments including emphysema, knee problems and most significantly a fractured hip.

Despite this painful injury he insisted on keeping his commitment to his fans and he toured for 53 dates with a fractured hip and, as he did, it worsened to a more serious injury.

On the day he died he was informed his hip had graduated to a full on break and it is our feeling that the pain was simply unbearable and was the cause for his over use of medication.

We knew before the report was shared with us that he was prescribed various pain medications for a multitude of issues including Fentanyl patches and we feel confident that this was, as the coroner found, an unfortunate accident.

As a family we recognize this report may spark a further discussion on the opioid crisis and we feel that it is a healthy and necessary discussion and we hope in some way this report can save lives. Many people who overdose begin with a legitimate injury or simply do not understand the potency and deadly nature of these medications.

On a positive note we now know for certain he went painlessly and beautifully exhausted after doing what he loved the most, for one last time, performing live with his unmatchable rock band for his loyal fans on the biggest tour of his 40 plus year career. He was extremely proud of that achievement in the days before he passed.

We continue to mourn with you and marvel at Tom Petty and the Heartbreakers incredible positive impact on music and the world. And we thank you all for your love and support over the last months.

Thank you also for respecting the memory of a man who was truly great during his time on this planet both publicly and privately.

We would be grateful if you could respect the privacy of the entire Heartbreaker family during this difficult time.

– Dana Petty and Adria Petty –