Sep-2024(Media)

クライム・サスペンスドラマ「Bad Monkey」

TP&HBの曲がサントラに使われるということで注目の Apple TV+のドラマ「Bad Monkey」(全10話)。8月14日から配信が始まり、現時点で6話まで公開されています。気になる使用曲と感想を簡単に。

まず、1話目の冒頭で意外なことに TP&HB 版 “American Girl”が聞こえてきました。ちょっとしたサプライズ、驚きました。でも、オリジナル版はこれだけ、他はカヴァーです。

1話には “Room At The Top”(Eddie Vedder)と “Even the Losers”(Fitz and The Tantrums)が使われていました。2話では “Don’t Do Me Like That”(flipturn)、3話では “Runnin’ Down A Dream”(Larkin Poe)、”Mary
Jane’s Last Dance”(Jamie Jackson)、4話では “You’re Gonna Get It”(Jason Isbell and the 400 Unit)、5話では”Sins of My Youth”(Kurt Vile)、6話には “You Wreck Me”(The War On Drugs)、”Yar So Bad”(Meridian Brothers)が登場しました。

視聴した感想ですが、なんとなく曲を使っているのではなく、ドラマのシーンに合わせた曲を持ってきていて思わずニヤッとしてしまうこともあり、個人的には楽しめました。TP&HB のカヴァーとはいえ、中には個性的なヴァージョンもあるので、劇中のどこで流れたのかすぐには分からないのもありました。

TP&HBのカヴァー以外にも Tony Joe White “Scratch My Back”、Jimmy Buffett “Cheeseburger In Paradise”、Dick Dale “Miserlou”、KT Tunstall “Suddenly I See”などの個性的な曲が効果的に使われていました。一番ハマッていた曲のは主人公のスマホの着信音にZZ Top “La Grange”が使われていたこと。緊迫したシーンでこの着信音が流れた時には思わず笑ってしまいました。

ドラマのストーリーがちょっとグロいので要注意ですが、ご覧になれる方は是非どうぞ。


ドラマ「Bad Monkey」の音楽監督 Tony Von Pervieux が TP&HB を取り上げることになった経緯をインタビューで語りました。

Tom の曲を手掛けたいと前から思っていたんです。このプロジェクトが2年半前に立ち上がったとき、フロリダ州が舞台というコンセプトでした。「今までやられていないことが出来ないか?」と監督と話して、Petty のカヴァー曲を数曲やろうか、と話しました。最初は10曲というアイデアでしたが、21組のアーティストに声をかけたら、みんなが話に乗ってきて21曲になったんです。

(Tom の娘)Adria には最初から話に加わってもらいました。彼女は「正しいバンドが選ばれ、それぞれ良いカヴァーを決め、全体として上手くまとまった」と言いました。彼女からの唯一のルールは「Petty の歌詞を変えないこと」でした。でも、そもそも、そんな境界線を越えることはなかったです。私たちがリスペクトして愛しているアーティストたちは Tomをリスペクトして愛している人たち。そんな人たちを集めたんです。

なお、Eddie Vedder (Pearl Jam) のカヴァー版 “Room at the Top”には彼のツアーにも同行していた Red Hot Chili Peppersの現・旧メンバーたち(Chad Smith と Josh Klinghoffer)に加えて、Benmont がゲスト参加し
たことが判明しました。

ランキング系*6題

1)音楽サイト udiscovermusic.jp で「史上最高のギター・リフ・ベスト40」という日本語記事が公開され、12位に”Free Fallin'”がランクインしました。なお、1位は”Smells Like Teen Spirit” (Nirvana)、2位は”Johnny B. Goode”(Chuck Berry)、3位は”(I Can’t Get No) Satisfaction” (The Rolling Stones)でした。


2)Ultimate Classic Rock サイト(以下UCR)からも<Top 30 Rock Riffs(ロックのギター・リフ・トップ30)>というランキングが発表され、ここでは”Runnin’ Down A Dream”が22位にランクイン。上位3曲は “(I Can’t
Get No) Satisfaction”、”Smoke on the Water”、”You Really Got Me”でした。この2つの記事を見比べると、この類の記事で順位にどこまで意味があるのか、考えさせられます。


3)UCR からの記事がしばらく続きます。<50 Albums That Raised Money for Charity(チャリティで募金を集めたアルバム50枚)>というランキングでは、Traveling Wilburys が “Nobody’s Child”を提供した『Nobody’s Child:Romanian Angel Appeal』が挙げられました。


4)UCR は二匹目のドジョウを狙うことも得意です。<Rock Records With a Cause: 40 Charity Singles(意味のあるロックのレコード:チャリティ・シングル40曲)>というランキングも掲載されました。ここでは、シングル
曲として”Nobody’s Child”が33位にランクインしました。


5)さらに UCR ネタで、<Top 15 Fleetwood Mac Solo Songs(Fleetwood Macメンバーのソロ曲トップ15)>というランキングも出ました。ここではStevie Nicks “Stop Draggin’ My Heart Around”が2位にランクイン。1位
になった Stevie Nicks “Edge of Seventeen”では Tomの元妻 Jane との会話が曲名のインスピレーションとなったエピソードが紹介されていました。


6) 最後に<These Are the Only 33 Classic Rock Albums to Hit No.1 Since 2000(2000年以降1位となったクラシック・ロック・アルバムはこの33枚だけ)>という記事があり、33枚のうちの1枚が『Hypnotic Eye』でした。