Farm Aid 2023 で Heartbreakers が Bob Dylan と演奏
9月23日に開催された<Farm Aid 2023>で Bob Dylan が突然ステージに登場して3曲演奏。しかも、そのバックを務めたのは Mike Campbell & The Dirty Knobs に Benmont Tench。Dirty Knobs の現在のドラマーは Steve Feronne なので、3人の Heartbreakers が Dylan と共演したことになります。ファンとしては想像を絶するスゴイことが起こりました。
当日演奏されたのは “Maggie’s Farm” “Positively 4th Street” “Ballad of a Thin Man”の3曲。紹介もなく照明の落ちたステージに登場した Dylan とバックバンド。挨拶もなく演奏を始め、淡々と3曲を披露し、約17分の演奏を終えるとやはり挨拶もなくステージを降りました。この奇跡の瞬間に立ち会えた観客がただただ羨ましいです。当日配信された映像が YouTubeにアップされています。
驚いたことに Dylan はエレキギター(Fender Telecaster)を演奏。ソロも聞かせてくれました。Mike はストリングベンダー(ペダルスチールギターの様な音が出せる装置)付きの Fender Telecaster だけで3曲を演奏。”Maggie’s Farm”ではなんと Dylan と同じマイクでコーラスをつけるという、昔では考えられなかったシーンも。Benmont はヤマハのシンセサイザー S90ES とハモンドオルガン+レスリースピーカーで曲に彩りをつけていました。Steve が叩いていたのは愛用の Gretsch のドラムでしたが ヘッドに The Dirty Knobs の文字がプリントされたものではなく Gretsch のロゴが入ったものに変えてありました。
TP&HB と Dylan の蜜月が始まったのは Farm Aid 1985 での共演からでした。その際に演奏されたのは “Clean Cut Kid” “Shake” “I’ll Remember You” “Trust Yourself” “That Lucky Old Sun” “Maggie’s Farm”の6曲。Dylan が Farm Aid のステージで演奏するのはこの時以来、38年ぶりのこと。
演奏曲数は半分に減りましたが、5分の3の Heartbreakers を従えてギターを弾く姿は存在感がさらに増しているほど。80歳を過ぎてもアーティストパワーが衰えないのには驚くばかりです。また、Mike、Benmont、Steve が同じステージに立って演奏している姿を見て、これを機に何かの形で Heartbreakers 5人の共演が実現してくれないものかと、無理だとは分かりながらも願うばかりです。
[T]2023-10-11
『Mojo』再発関連情報
10月20日に『Mojo』の限定アナログ盤が再発売されることは前月お伝えしましたが、アナログ盤だけでなく、デジタル配信で未発売2曲を追加した『Extra Mojo Edition』も同時に発売されることが分かりました。Hi-res 音源の発売があるかは未確認です。追加されるのは “Help Me”と”Mystery of Love”の2曲で、オリジナル盤発売の際に<Tom Petty Radio>で公開されているので聞いたことがある方もいるかと思います。その“Help Me”のミュージックビデオが10月頭に公開されました。
この曲は2010年にプロモーション用に作成されたレコーディングのドキュメンタリー<MOJO (Documentary Directed by Sam Jones)> で演奏されたのが初出です。公式サイトの告知で「Previously Unreleased Performance」と書かれているのでアメリカや日本の音楽情報サイトでも「未発表カヴァー音源」と喧伝されていますが、13年前に公開済みです。前回は白黒で途中にメンバーのインタビューが挿入されていましたが、今回はカラーで演奏のみ。2010年より1分ほど長い3分46秒、この曲のキーとなっている Scott のハーモニカの演奏シーンが増えていました。ぜひ両方を見比べてください。
[T]2023-10-11