Mar-2025(Solo)

Benmont 2枚目のソロアルバム発売!

Benmont の2枚目のソロアルバム『The Melancholy Season』が発売されました。CDが届いていないので配信音源を聞いていますが、2023年10月6日リリース予定から遅れること1年5か月、「もう発売されないのではないか」という不安に苛まれながら待ち続けた甲斐のあるアルバムでした。

演奏したのは、プロデュースを担当した Janathan Wilson がギターとドラム、Dawes の Taylor Goldsmith がギター、Soul Coughing の Sebastian Steinberg がベースを弾いています。印象的な女性コーラスが入っているのが2曲ありますが、今までの情報からすると歌とギターで参加している Jenny O.なのだと思います。ラストトラックの”Dallas”にはゲストボーカルとして Sara Watkins が参加しています。

前作『You Should Be So Lucky』ではヴォーカル面に弱さが見られましたが、だいぶ改善されて不安定さは減っていると思います。今作はバックトラックの音数がかなり少なくなっていますが、逆にそれが Benmont の歌を際立たせているような気がします。今回はカヴァー曲もなく、収録された13曲はすべてBenmont の作品。前作収録のインスト曲に新たに歌詞を付けた”Wobbles”以外は初めて発表されたものばかりです。とは言え、曲作りは2018年の末までには終え、2020~21年にかけて Jonathan Wilson とアルバム制作に入っていたようです。しかし、自身の体調問題やパンデミックもあり、完成しながらも発売には至らなかったという経緯があります。

新譜を引っ提げてのライヴは、2月18日~22日のニューヨーク公演に続いて、3月12日のロサンゼルスから西海岸ツアーが始まり、4月11日まで全9公演を行う予定です。ニューヨークのセットリストを見ると自作のほかに”Straight Into Darkness” “American Girl” “Change of Heart”といった TP&HB の曲やThe Velvet underground の”Rock & Roll”、Bob Dylan の”I Dreamed I Saw St. Augustine”などを演奏したようです。前作のツアーではヴォーカルが聞こえ難かったり音程に不安がありましたが、2016年から今年まで(ブランクはありますが)歌い続けてきて、今回のアルバムも早いものでは2019年から歌っている曲もありますので舞台慣れしているはず。以前よりはライヴを上手くやれるのではないかと期待しています。アルバム購入を迷っていらっしゃる方、個人的に今作は買いだと思います。是非お手元にどうぞ。

Billboard Magazine がアルバム制作に関して Benmont にインタビューした記事がアップされています。また本人の YouTube チャンネルも立ち上がっていますので是非ご覧ください。

Benmont、闘病生活を激白

New York Times に Benmont のインタビューが掲載され、その中で10年以上前から口腔がんで闘病していること、2023年には病変が顎まで広がり、摘出手術を受けたことを明かしました。「医者が(手術で)顎の半分を取ったけど、足から筋肉と骨を取って(顎に)再建してくれた」とのことでした。2024年には発語練習などのリハビリを行ったためアルバム発売が遅れてしまいましたが、TP&HB が使っていたリハーサル・スペース(The Clubhouse)へ行ってピアノの弾き語りをすると「面白いことに発音が良くなった」とも語っています。アルバムが無事仕上がりツアーできるまでに活動を再開できたことに、ただただ安堵しています。

Steve Postell 新作に Steve Ferrone 参加

ギタリストでシンガーソングライターの Steve Postell の新作『Walking Through These Blues』(3月14日発売)に Steve Ferrone が参加しました。他にも Glen Phillips や一昨年亡くなった David Crosby など豪華はゲストが参加しています。Steve の参加曲は現時点では不明ですが、Glen がリード・ヴォーカルを取る”How Far We’ve Come”には参加しています。なお、Postell は Danny (Kootch) Kortchmar などによるセッション達人たちのバンド、The Immediate Familyのメンバーでもあり、<Our House: The Music of CSNY>というトリビュート・バンドでも活動しています。

Stan、新バンドのアルバム発売

Stan Lynch が The Speaker Wars というバンドを組み、デビューシングルを発表したことは 2022年5月のメールマガジンで取り上げました。その後しばらく音沙汰がありませんでしたが、アルバム『The Speaker Wars』が5月30日に発売されると突然の発表がありました。全10曲のうち、”You Make Every Lie Come True”が先行公開されています。『Full Moon Fever』~『Into the Great Wide Open』時代を彷彿させる曲調なのが興味深いです。当時のStanは『Full Moon Fever』のレコーディングに誘われず、音楽性への不満を漏らしていました。