『Long After Dark(Deluxe Edition)』発売
アーカイヴシリーズ『Long After Dark(Deluxe Edition)』が10月18日(金)にリリースされました。プロモーション頻度は下がりましたが、10月10日には“Turning Point (Original Drums Version)”の公式音源、アルバム発売日には残りの曲も全て公式 YouTube チャンネルにアップされました。23日には”Change of Heart”の MVのレストア版が公開、今までのものと比べてかなり画質が向上しています。11月1日深夜には“Finding Out (French TV)”のMV 、さらに9日には“Stories We Could Tell (French TV)”のMVが公開になりました。
これで、Disc-2に収録された<French TV>のために収録された5曲の映像全てが公開されました。最後になった “Stories We Could Tell”ですが、2022年に Adria Pettyが主導してリリースされた The Everly Brothers の『Hey Doll Baby』発売記念イベントで公開されたヴァージョンとは違うものでした。基本となる(メインカメラの)映像は同じですが、未公開映像がかなり追加され、カット割りが全く違います。22年版は現在視聴不可なので簡単に見比べられられないのが残念です。
製品の仕様を整理します。CDの Disc-1はオリジナル・アルバムのリマスターで 96kHz-24bit 音源。Disc-2は未発表7曲を含んだボーナストラック集でこちらも96kHz-24bit音源。<Blu-ray>に収録された音源は96kHz-24bit ステレオ / 48kHz-24bit ドルビー TrueHD 5.1ch / 48kHz-24bit ドルビー・アトモスの3種類。いずれも担当したのはお馴染みの Ryan Ulyate です。
ジャケットは4面デジパックでデザインは『Mojo』から TP&HB 関連の作品を手掛けている SMOG Design, Inc.が担当。中面には「OUT OF THE DARK」というタイトルの解説が印刷されています。著者は David Fricke。盤面は Disc-1が緑、Disc-2が赤、Blu-rayは灰色(銀色をイメージしているのかも)。歌詞とレコーディング・データなどのクレジット類は全16ページの中綴じ冊子に記載。この冊子の15ページには日本盤シングル”チェンジ・オブ・ハート”のジャケット写真が掲載されています。アルバム・ジャケット写真はアナログ盤・現在まで発売された CD共に正方形でしたが、今回は横長のデザインのため下の一部(具体的には、ギターのネック2フレット分)が切り落とされています。デジパックの中にオリジナル・アルバムの裏ジャケに使われていた銀色の写真も印刷されていますが、こちらも同様に下側が切られています。
日本盤の情報も。仕様は 2CD+ブルーレイ(音源のみ)。CD は日本盤のみSHM-CD仕様で英文解説の翻訳と歌詞対訳付き(全16ページ中綴じ)。訳は KR Advisory Co., Ltd.の石山栄二氏。同社は2018年発売のベスト盤『The Best Of Everything』の日本盤でも歌詞の聴き取り・対訳の一部を担当していましたが、同氏が TP&HB 関連の仕事をするのは初めてです。
関連して国内でのプロモーションの動きを。ユニバーサル・ミュージック・ジャパンが<トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ『ロング・アフター・ダーク』Dolby Atmos(ドルビーアトモス)試聴及び「トム・ペティ:ハートブレイカーズ・ビーチ・パーティ」上映イベント>を開催することをサイトとX(旧 Twitter)上で急遽告知。参加できるのは5名という狭き門でした。
こちらに幸運にも当選したので11月8日に都内で行われたイベントに行ってきました。最高の Dolby Atmos 環境で Disc-1 を聴かせていただき、レストアされた「Heartbreakers Beach Party」を見ることができました。開演前にユニバーサル・ミュージック・ジャパンの担当者から「今回はマネージメントの方から是非日本でも開催して欲しいとの要望があったので実現した」旨が参加者に告げられました。「先方は日本を大切なマーケットだと考えている」とも話されていました。それが本当であれば嬉しいのですが。みなさん是非ぜひ日本盤買いましょう!今回残念だったのは「Heartbreakers Beach Party」が未発表映像の追加されていないヴァージョンだったこと。海外では新たに発見された映像素材を追加したものを上映しましたが、今回日本に送られてきたのは1983年に公開したオリジナル版をレストアしたモノでした。追加映像が見たかったです。
チャートの話題を。今作は Billboardの<Top 200>で103位(10月18日付)と最近作の中では今イチの伸びでしたが、<Top Rock Albums>で14位、<Top Rock & Alternative Albums>では19位にランキングと、まあまあの結果を残しました。今回は日本盤の発売もあったため国内のチャートにも登場。オリコンが毎週発表している<週間洋楽アルバムランキング>で初登場23位(2024年10月28日付)。翌週には30位以下の圏外になってしまいましたが、まあ快挙といえるでしょう。
最後に雑誌への掲載情報です。「レコード・コレクターズ」11月号に<トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ 思春期と成熟のはざまで揺れるバンドの姿をとらえた『ロング・アフター・ダーク』拡張版>という記事(P.124-125 / 文・赤尾美香さん)と日本盤の広告(P.5)が載っています。<UNCUT> 2024年12月号にはアルバムレヴュー(10点満点中9点の評価)と Benmont の短いインタビューが掲載されていました。<CLASSIC ROCK>ではレヴューのみでしたが、こちらも10点満点中9点の評価が与えられていました。
[T]2024-11-11
「Heartbreakers Beach Party」劇場公開
1983年の映像作品「Heartbreakers Beach Party」が40年の時を経て4Kレストアされ、10月17日、20日の2日間、欧米のいくつかの映画館で劇場で公開されました。今回はオリジナル版(約64分)に新たに見つかった未発表素材約20分を追加した拡大版になっています。「Heartbreakers Beach Party」は83年2月の深夜2時に<MTV Sunday Special>として一度だけ放送されたまま倉庫に眠っていたもので、未見のファンも多いカルト的な作品です。
当時までの TP&HB の歴史を振り返り、ツアー先のホテルや移動のバスの中の様子など、素のままのバンドの姿をとらえた貴重な映像が満載。映像作品の初監督を務めた Cameron Crowe は様々な角度からTPのソングライティング手法に迫り、勢いに乗っていた彼とバンドの魅力を余すことなく伝えてくれています。
手持ちの古い映像を久しぶりに見返してみましたが、画質が悪くてもかなり楽しめる内容だったので、これがレストアされて奇麗になっているのであれば、是非見てみたい1本です。この作品が再び陽の目を見ることができたのは Petty Legacy / Tom Petty Estate が少しずつ過去の音源・映像のフッテージを調査し、保存するためにデジタル化や補修をしているプロジェクトの一環で劣化している当時の16mmフィルムを見つけ出したのがきっかけです。このプロジェクトを担当しているのは2021年の「Tom Petty: Somewhere You Feel Free」でアーカイヴ・プロデューサーを務めていた Alison Tavel。彼女は今回の『Long After Dark(Deluxe Edition)』でもアーキビストとして名前を連ねています。今後も新たな発掘に期待したいと思います。
本作の製品化の話題はまだ出てきていませんが、来年、パラマウントプラス(Paramount+)で公開されるという情報もあります。気が早いので調べてみたところサービスは初月540円で、以降は月額770円とのことでした。
[T]2024-11-11
Official Tom Petty Fan Club
Tom Petty オフィシャルファンクラブ Tom Petty Nation が新たにオフィシャルサイト TomPetty.com でコンテンツを提供し始めます。内容は過去の限定ページを見られる、ラジオ番組「Buried Treasure」が聴けるなど今のところ目新しいものはないですが、最新情報や専用コンテンツの提供もアナウンスされています。費用は無料ですが、FBグループに加入している場合もサイトでの登録が必要です。詳細と登録はSNSの案内からどうぞ。
[M]2024-11-11