『Long After Dark (Deluxe Edition)』発売に!
TP&HB の新しいアーカイヴシリーズ『Long After Dark (Deluxe Edition)』が10月18日(金)に発売されることになりました。
発売されるフォーマットは、アナログ盤2枚組<2LP Black Vinyl>、赤と黒のカラーヴィニール仕様(ナンバリング付)のアナログ盤2枚組<2LP Limited Numbered Edition>、CD2枚とBlu-ray(オーディオ)がセットの<2CD/Blu-ray>の3タイプ。これ以外に選ばれた独立系レコード店のみで購入可能なターコイズに仕上げられたアナログ盤1枚にリトグラフが付いた限定版も存在しますが、残念ながらこの<選ばれたレコード店>の中に日本の店は含まれていません。また、Hi-res などのデジタル音源についての正式な発表はまだありません。
各フォーマットとも1982年発表の同作10曲を新たにリマスターしたアルバム本編と未発表曲・未発表ヴァージョンなどによる12曲のボーナストラックの2枚で構成されます。これに加え<2CD/Blu-ray>版ではオリジナルアルバムの Hi-res stereo 音源と新たに作られたATMOS mix音源を収録したBlu-rayが付いてきます。
トラックリストは<Here Comes A Heartbreaker!>のディスコグラフィに掲載されていますのでそちらをご覧ください。
注目のボーナストラックの解説を少々。今回、完全な未発表トラックは7曲。この中で “Don’t Make Me Walk The Line”と”One On One”の2曲はタイトルを聞くのも初めての曲です。”Ways To Be Wicked (Denver Sessions)” に関しての情報は現時点ではありません。”Wild Thing”(Troggs のカヴァー)は特に記載がないのでスタジオ録音版ということでしょうか。
“Never Be You”は1984年の映画「Streets of Fire」のサントラに収録されたMaria McKee 版が有名です。この曲は元々『Long After Dark』のためにレコーディングされましたが、プロデューサーの Jimmy Iovineが独断でサントラに提供。当初のカントリーシンガー Rosanne Cash がヴォーカルを入れたものは何故か採用されず、新たに Maria McKee 版がレコーディングされたという経緯があります。自分のヴァージョンに自信があった Rosanne はこの曲を再度録音し、翌85年発売のアルバム『Rhythm & Romance』からの2枚目のシングルとしてリリース。Billboard のカントリーチャートで見事1位を獲得しました。
続いては、トラックリストに注記されている「French TV」の音源についてまとめます。これはフランスの人気テレビ番組<Houba Houba>のことで、今回この番組からの音源が5曲も収録されています。この<Houba Hoyba>という番組についての情報は極端に少なく、欧米のミュージシャンの出演記録もネット上に残されてはいますが、放送期間・時間などの情報は見つけられませんでした。
TP&HBに関して分かっているのは、この番組のためにロサンゼルスのレコーディングスタジオ「Record Plant」で演奏シーンが撮影されたということ。<Houba Houba>のために録画されたのは少なくとも6曲で、その中の”Wild Thing”を除く5曲の音源が今回収録されています。このうち “Stories We Could Tell”と”Keeping Me Alive”は2007年に発売された映像作品「Runnin’ Down A Dream」に付属のサウンドトラックCDに、”Straight Into Darkness”は2018年発売の『An American Treasure』に収録されています。”I’m Finding Out”は2000年代に流通した海賊盤CDに含まれていましたが、”Between Two Worlds”と合わせて公式には初出だと思われます。
テレビ用に録画された中で実際に放送が確認できているのは3曲。残りの曲がオンエアされたかどうかは不明です。その中の一部は TP&HB の映像作品やテレビのドキュメンタリー番組で使われてきました。MTV「Heartbreakers Beach Party」では “Keeping Me Alive” “Wild Thing”の演奏シーンが流用されていました。そして今回、プロモーション映像として”Straight Into The Darkness”の演奏シーンを使ったビデオも公開されました。今回は音源のみの発売ですが、映像の方も全長版での公開を期待したいです。
今回のリリースのプロモーションは公式サイトでのカウントダウンという形で日本時間8月26日から突然始まり、公式サイトと Instagram で徐々に情報(ヒント)を出しつつ期待を煽り、正式発表は8月30日(金)22時でした。
映像としては、29日に<Album Trailer> 、翌30日には MV<Straight Into Darkness>が公開されています。この中には Record Plant での演奏シーンもたくさん使われています。約1週間後の9月7日にはMVの監督である Alan Bibby へのインタビュー動画<Making of “Straight Into Darkness” Music Video>を公開。なお、Alan Bibby は “Wildflowers (Home Recording)”でも監督を務めています。
最後に日本盤の情報を。ここ数作のアーカイヴシリーズは Warner Brothers からのリリースでしたが、ワーナー・ミュージック・ジャパンから日本盤が発売されることはありませんでした。今回は久しぶりに Universal Musicからのリリースですが、こちらはなんと日本盤が発売されます!! David Fricke の書いたライナーノーツと歌詞の対訳付きで SHM-CD2枚組+Blu-ray という仕様です。さらに、同社の公式ストアでは 2LP版/2LPカラー仕上げ限定版/2CD+Blu-ray も販売されています。
[T]2024-9-11
Heartbreakers Beach Party 公開
1983年のドキュメンタリー「Heartbreakers Beach Party」が、10月17日と20日に劇場で限定公開されます。MTVで放送された Cameron Crowe の初監督作品ですが、長らく見ることができない作品でした。公開にあわせて本編はフルリマスターされ、さらに19分の未公開映像も追加されます。ただし、今回の限定公開には、残念ながら、日本は含まれません。
[M]2024-9-11