Jun-2024(Media)

前夫人の伝記出版

TP の前夫人 Jane Benyo の伝記「American Girl, American Dreams: My Life with Tom Petty」が12月17日に出版されるようです。出版元は Dave Grohl の「The Storyteller」や Johnny Marr の「Marr’s Guitars」などを出した Dey Street Books。336ページで価格は29.99ドル。日本の Amazon では ハードカバー 5,172円、Kindle 版 3,754円と掲示されています。

これまで自らメディアに登場することがほとんどなかった Jane。TPの夫人として取り上げられることはあっても彼女自身の生い立ちなどが語られることは無く秘密のベールに包まれていました。今回、作家・ミュージシャン・女優の Pamela Des Barres の助けを借りて、自身の生い立ち、Tom との出会い、25年に及ぶ結婚生活など、今まで語られることのなかった物語を我々に教えてくれるようです。

Pamela Des Barres といえば自身のグルーピー体験を赤裸々に綴った本を何冊も出版していることで有名です。75歳を過ぎた今でも自身の YouTube チャンネルで過去に関係のあったミュージシャンの話や自身の体験を語っています。なので、今回の自伝もスキャンダラスな面を強調した話があるかもしれませんが、当事者の口から語られる<もう一つのTPの歴史>には興味があります。出版が待ち遠しいです。

ランキング系*8題

1)ビジネス誌 Forbes のウェブサイトが<The 25 Greatest Music Videos Of All Time(史上最高のミュージックビデオ25選)>というランキングを発表しました。13位に”Mary Jane’s Last Dance”が入ったのは良いのですが、驚きなのは1位から3位。順に”That’s The Way Love Goes” (Janet Jackson)、”You’re All I Need To Get By” (Mary Blige)、”Wave Twisters” (DJ Q-Bert) でした。私が不勉強なせいか、曲名どころかアーティスト名すら知らない状況でそこまで偉大なビデオなの?とツッコミを入れたくなるランキングです。ツッコミついでに、ここでは Mary Blige と表記されていますが、正しくはMary J. Blige ですし、動画リンクは貼られているものの、ビデオでなく音声のみ…という有様で、音楽へのリスペクトが足りないなランキングでした。


2)同じく Forbes サイトで<Springsteen, Prince, Bowie And The Best Live Acts Of The Last 50 Years(Springsteen、Prince、Bowie、そして過去50年間での最高のライヴ・アクト)>という記事が掲載されました。これがまた不思議なランキングで、7位が「Fleetwood Mac / Tom Petty And The Heartbreakers」となっています。解説を読むと「名前を挙げられるアーティストに限りがあるから一緒にした」と書かれていますが、それにしても無理があります。さらに1-3位が記事のタイトルに挙がったアーティストなのかと思いきや、1位が Bruce Springsteen & the E Street Band、2位が Patti Smith、3位が Prince となっていました。上のランキングもそうですが、ビジネス誌がエンターテインメント記事を取り上げることに無理があるのかもしれません。思わず「羊頭狗肉」や「魚質竜文」など、遠い昔に習った(実際はサボった)漢文の授業を思い出しました。


3)YouGov.com という市場調査会社のアメリカ版が<The Most Popular All-time Music Artists [Q1 2024](もっとも人気ある不滅の音楽アーティスト[2024年第一四半期])>という順位を発表しました。この順位付けは手法がより厳密であることを謳っていて、他のランキング記事のような主観的な順位付けではありません。この調査会社に登録したアメリカ人の回答が元になっていて、年齢・性別などが調整された順位とのことです。しかし集計結果が相当不思議で、Tomが49位、TP&HB が58位と別々にランキングしていました。さらに、1位から3位は Dolly Parton、The Beatles、Johnny Cash、本当にアメリカ人を代表しているサンプルなのかは意見が分かれるところです。


4)American Songwriter 誌のサイトでは<Ranking Tom Petty’s 5 Best Album-Closers(Tom Pettyのアルバム最終曲ベスト5)>が公表されました。1位から5位は ”American Girl”、”The Best of Everything”、”One More Day, One More Night”、”You Can Still Change Your Mind”、”Good Enough”というラインアップでした。


5)American Songwriter からもう一つ、<3 of Tom Petty’s Greatest Songs of All Time(Tom Petty の史上最高の3曲)>という記事も公開されました。1位から3位が ”American Girl”、”Refugee”、”Free Fallin'”という、音楽誌のサイトとしては単純明快なランキングでした。


6)音楽サイト Consequence の発表したランキングは<Stevie Nicks’ 8 Best Duets: From “Stop Draggin’ My Heart Around” to “Sorcerer”(Stevie Nicks のデュエット・ベスト8:”Stop Draggin’ My Heart Around”から”Sorcerer”まで)>。ここでは “Stop Draggin’ My Heart Around”が2位に選ばれました。なお、1位は “Whenever I Call You ‘Friend'”(with Kenny Loggins)、3位は”Leather and Lace”(with Don Henley)という、想定内のランキングでした。


7)このコーナーの常連 Ultimate Classic Rock サイト(以下UCR)のランキング。<Top 35 Harmonica Songs(ハーモニカの入った曲トップ35)>では、26位に”Mary Jane’s Last Dance”、5位に”You Don’t Know How It Feels”がランクイン。ちなみに1位から3位は、”Love Me Do”(The Beatles)、”Heart of Gold”(Neil Young)、”When the Levee Breaks”(Led Zeppelin)でした。


8)UCR からもう一つ、<Rock’s 20 Best 13th Albums(ロック界の13作目のアルバム:ベスト10)>という記事が発表され、『The Last DJ』が16位に入りました。1位から3位は順に『The Lodger』(David Bowie)、『Let’s Get It On』(Marvin Gaye)、『Wild Honey』(The Beach Boys)という、なかなかマニアックなセレクションでした。