Sound City Special

TP&HB と Sound City Feb - 2013
text by TOSHI  .

Tom Petty and the Heartbreakers (以下 TP&HB)と Sound City との関わりを簡単にまとめてみます。

TP&HBのレコーディングに関する詳細データは残念ながらほとんど公開されていませんが、1995年に発売された『Playback』のブックレットに記載されたデータを元に、Sound City で録音されたことが確認できる曲をリストアップすると以下のようになります。

発売年 アルバム 収録曲 シングルB面/デモ/未発表曲
1978 I Don't Know What To Say To You
1979 Damn The Torpedoes Refugee / Here Comes My Girl / Even The Losers / Shadow Of A Doubt (A Complex Kid) / Don't Do Me Like That Casa Dega / It's Rainin' Again /
Nowhere / Surrender
1981 Hard Promises The Waiting / A Woman In Love (It's Not Me) / Something Big / A Thing About You / Insider / You Can Still Change Your Mind Heartbreaker's Beach Party / Gator On The Lawn / Stop Draggin' My Heart Around [Demo]
1985 Southern Acssents The Best Of Everything
1987 Let Me Up
(I'v Had Enough)
Jammin' Me / It'll All Work Out / Think About Me / A Self-Made Man Make That Connection / Moon Pie [未発表] / The Damage You've Done (Country Version) [未発表] / Got My Mind Made Up (Original Version) / Can't Get Her Out / You Come Through
1988 Down The Line [mixのみ]
1994 Wildflowers  曲毎の詳細は不明
1996 She's The One  曲毎の詳細は不明
 TP&HB at Sound City
  

Sound City のどこに TP&HB を惹きつける魅力があったのでしょうか。大きな要素として「Neve(ニーヴ)」の存在が上げられると思います。

Neve とは Neve社が開発・製造したレコーディング用ミキシング・コンソールのことです。(写真は実際に Sound City Studios に設置されていたミキシング・コンソール。)

日本では「コンソール」や「(レコーディング)卓」という通称で呼ばれることの方が多いミキシング・コンソールですが、特に Neve の卓は熱狂的なファンが多く、TPもそのうちの1人です。

20年以上前になりますが、TPは雑誌「サウンド&レコーディング」(1989年7月号)の中で、Neve が好きな理由についてこう語っています。
TP : とても温かいサウンドだから。コンピューターじゃなく、ギターとかピアノとか本当の楽器をたくさん使っている場合は、それが重要なんだ。SSL の卓 (*) は全然好きじゃない。ボクには、とても冷たくて平坦な音に聞こえるんだ。
*SSLも有名なミキシング・コンソールです。

映画「Sound City」の監督を務めた Dave Grohl も Neve の大ファンで、Sound City に備え付けらていた「Neve 8028」を譲り受けて、自分のスタジオに移設してしまったくらいです。その様子は映画の後半で記録されていますが、とにかく嬉しそうな Dave の表情が印象的でした。

ちなみに、TP&HBが使用したことのあるスタジオを調べてみると、ほとんどに Neve があることが分かりました。
Sound City Studios Neve 8028 『Damn The Torpedoes』『Hard Promises』『wildflowers』等
Cherokee Studios Neve 8128 『Damn The Torpedoes』『Hard Promises』等
Record Plant L.A. Neve 8068 『Long After Dark』等
Village Recorders Neve 8048 『Southern Acssents』
Cello Studios Neve 8078 "Mary Jane's Last Dance"
M.C. Studios Neve 1024 『Echo』等

Neveの卓以外にも Sound City の魅力として、素晴らしい響きを得ることができるライヴルームも忘れることはできません。オーバーダビングを重ねることよりも、ライヴ感を重視した音作りをしていた時期のTP&HBが、このスタジオを重用したのは、ライヴの音そのままを収めることができるライヴルームの存在が大きかったのではないでしょうか。

ただ、近年は自分たちのスタジオの設備を拡充し、時間や予算に縛られること無くレコーディングが行えるようになり、TP&HB と Sound City との関わりが薄くなってきました。 また、映画の中で多くの時間を割いて描かれていますが、「デジタル化」の流れとアナログテープへの録音を基本に考える Sound City の存在は相反するものでした。どちらが良い悪いかよりも、効率を求められた結果、伝説のスタジオはその幕を閉じるしかなかったのでしょう。
TOP Sound City Special Sound City 2001 TP&HB Official Website

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